エナジードリンクと熱中症の心配【セリア通信vol.827】

2023年7月4日

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皆さん、お元気ですか。

通信陸上千葉県大会が開催されました。
初日は激しい雨と風、翌日は猛暑となりましたが、
全中の標準記録を突破した選手も多く、
そんな中学生の奮闘ぶりにスタンドも沸きました。

それにしてもあの暑さにも負けずに
実力が発揮できるなんて本当に素晴らしいです。
そんなみなさんの強さのヒミツを取材しに行こうと思っています。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 エナジードリンクと熱中症の心配
2 セリアスタッフの舞台裏【中学生から学んだこと】
3 陸上雑感【波】

通信大会訪問時にテントやサブトラで皆さんが
エナジードリンクを口にする姿をたくさん見かけました。
そのことについて、山さんからのお願いです。

エナジードリンクと熱中症の心配

◆エナジードリンクってなんだろう?◆

みなさんがレース前に口にしている
エナジードリンクに含まれる主な成分は、次の通りです。
  1. 水分
  2. 糖分(砂糖、果糖・ブドウ糖液糖など)
  3. 香料(おいしそうな香りで、味を引き立てる)
  4. 炭酸(さわやかで気持ち良い口あたり、のどごしにする)
  5. カフェイン(中枢神経を興奮させる、利尿をうながす)
  6. その他、保存料など
エナジードリンクにはみなさんの心と口を惹きつける
甘くてステキな香りが付けられています。
さらにカフェインという薬にも使われる成分が
大量には使用されているために止められなくなるのです。

◆カフェインの作用◆

カフェインは中枢神経に作用して
神経をたかぶらせ、集中力を高めます。
「飲むと効いたような気がする」のは、そのためです。
飲んだからと言って速く走れるようになったり、
疲れがなくなるわけではありません。
このようなカフェインの影響は
大人より子供の方が強いんです。
そして、さまざまな副作用が現れます。

◆子供が摂取するカフェインの恐ろしさ◆

子供やランナーがエナジードリンクなどで
カフェインを大量に摂取すると
次のような悪影響を及ぼしてしまいます。
  1. 自律神経の働きが乱れ、体温や水分の調節が乱れます。
  2. 腹痛、吐き気や下痢に見舞われます。
  3. 頭が痛くなったり、眠れなくなったりします。
  4. 栄養の吸収を阻害します。(鉄分の吸収阻害など)
  5. 血管や心臓に過度の負担をかけます。
  6. 中毒症状を引き起こします。
エナジードリンクで体調を崩したのに、
「調子が悪いから、また飲もう」と口にしているうちに
止められなくなる「エナジードリンク中毒」
の中高生が増えている気がします。

◆大人にも責任あり◆

保護者の皆さんや先生方の中には良かれと思って
エナジードリンクを差し入れていらっしゃる方が多いようです。
お気持ちはとてもよくわかるのですが他の食品にしてください。
よろしくお願いします。

ところで、駅伝やマラソンで
熱中症や脱水症状、低体温症などから
倒れ込む選手を見かけることがあると思います。
なぜ、昔に比べて倒れ込んでしまう選手が増えているのか?
その原因を探ることも私たちの課題となっています。
実際にそうしたトラブルに見舞われた選手の
指導者やご家族からのご相談も多く、
研究の動機となりました。

過緊張や体調不良など、さまざまな原因があるなかで、
エナジードリンクもその一因となっていると
私たちは考えるようになったのです。

◆脱水をうながすカフェインの怖さ◆

カフェインには、とても強い利尿作用があります。
エナジードリンクを飲んだことが「脱水の引き金」となった。
そう考えられるケースがかなり多いんです。
また、脳が覚醒され、神経がたかぶることによって
自律神経の働きも乱れているため
下痢(脱水の原因のひとつ)を引き起こし、
尿意が止まらなくなり、体温調節もうまくできません。

このような症状がいくつか重なり合って
熱中症や脱水、低体温症などを引き起こしている。
このようにレース中の体調不良による
レース中のアクシデント増加の一因として
エナジードリンクが関係している
と私たちは考えています。

どうかこの夏のレースで、合宿で
アクシデントに見舞われないためにも
エナジードリンクを飲むのだけは止めてください。

また、他競技でご活躍の保護者や指導者の皆さんにもお伝えください。
もしかしたら陸上以上にエナジードリンクを多飲している可能性があるからです。

::: セリアスタッフの舞台裏【中学生から学んだこと】 :::

千葉県中学校通信時陸上。
初日は傘も折れるくらいの強風大雨の中での開催でした。

このくらい強烈なコンディションになると
私なんか
「今日は確実に走って天気の良い明日の決勝で本気出そう。」
なんてセコいこと考えちゃいます。

ところが中学生の皆さんときたら
激しい風雨にも怯むことなく
全中標準のペースで走りだすではないですか。
その心意気に胸を打たれました。

結果的に全中標準を突破したり、
突破できなくても自己ベストを大幅に更新する選手が
多くいたので、選手たちの判断は正解でした。

走る前から諦めたり、
どうせ無理なんて思っちゃいけませんよね。
そこに1%でも可能性がある限り挑戦する。
そんな当たり前のことを中学生の皆さんから教えてもらいました。
(山内)

::: 陸上雑感【波】 :::

スタンドでひときわ熱い応援をしている中学生たちがいた。
その様子に少し違和感を覚えた。
声援の送り先にいる二人の選手が
それぞれ違うユニフォームをまとっていたからだった。
しばらく応援ぶりを追っていたら、その理由がわかった。
クラブチームで練習している仲間への声援だということが。
クラブ化の波ははやくも観客席に押し寄せていたのだった。
(山根)

* * * * * * * * * * * * * * * *

皆さん、暑さに慣れましたか。
山さんは昨日の猛暑でバテ気味です。
焦らず、少しずつ・・・。

では、また来週。


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