秋に多いトラブルその4”低体温症”【セリア通信vol.686】


2020年10月20日
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毎週のように駅伝が開催されています。
まだまだ厳しい状況下にあって喜ばしいニュースです。

勝敗の行方ももちろんですが、アクシデントがなかったかそれだけが心配です。

何とか無事に襷が繋がって欲しい。
それが私たちの率直な気持ちです。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 秋に多いトラブル その4”低体温症”
2 山内のなんでだろう【箱根駅伝予選会を終えて】
3 今週のアクション【”違和感”を使わない】

最近、レース中の”低体温症”による失速が目立ちますね。
スタート時までは元気だったはずなのに・・・。
原因と対策を探ってみましょう。

秋に多いトラブル その4”低体温”

◆低体温症とは◆

一般にはカラダの深部温度が35℃以下に低下した状態を言い、死亡率が20~90%にも及ぶ重篤な疾患である。
ランナーに見られるのは軽度低体温で、筋肉が硬直し震えが止まらなくなる。
また、呼吸が激しくなる一方で意識が薄らいでしまう。

◆低体温症の原因◆

ランナーに見られる低体温症の主な原因は次の通りです。

1、寒冷環境:寒さ(気温・雨・雪・風)によるもの。
2、熱産生低下:エネルギー切れ。
3、体温調節機能の低下:自律神経失調によるもの。

低体温症になったランナーの多くはこれらの原因がいくつか重なって発症していました。

◆例1、過緊張の場合◆

過緊張による睡眠不足と消化不良(下痢)をしていた選手の場合は・・・

睡眠不足から自律神経失調となり、体温調節能が不能となっていた。
さらに栄養失調状態が続いたためエネルギー切れとなり熱産生が低下。
失速しているうちに低体温症に陥ってしまった。

◆例2、オーバーペースの場合◆

冷たい雨の中、オーバーペースで走っていた場合・・・

能力以上の速さで走り出してしまったため、レース序盤からグリコーゲンを消耗し、早々にエネルギー切れとなった。
さらに風雨にさらされ、体表より熱を奪われてしまい、手足に硬直が見られ思うように動かすことが出来なった。
次第に意識が薄らいで倒れ込んでしまった。

◆低体温の対処と予防◆

もしも選手が低体温症で倒れたら、呼吸心拍と意識の有無を確認して下さい。
緊急を要する場合は直ちに救急搬送の手配をしましょう。

呼吸心拍及び意識がある場合は素早く処置しましょう。
まず、濡れている衣服は着替えさせましょう。
速やかに温かい部屋に移動させてウォーマーや毛布などで温めます。
ブドウ糖などの補給も必要です。
風雨や降雪などの心配がある場合は温めたスポーツドリンクを用意しておくと良いでしょう。

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大舞台になればなるほど低体温症で失速する選手が増加します。
それは異常な緊張や興奮が続いたことによる自律神経失調に起因するものだからです。

緊張に弱い選手は気をつけて下さい。

睡眠不足や消化不良(下痢・便秘・食欲不振)などがあったら出来るだけ早いうちに監督やコーチに相談して下さい。
軽度であれば事前に対処出来るからです。

消化不良であれば、消化の良い食事に替え、サプリメントなどで栄養を補う。

睡眠不足であれば、入浴やマッサージなどのケアを入念に行い、リラックス出来るように工夫する。

下痢が続いたら、水分補給を徹底する、冷たい風雨であればウエアで対策する等々、緊張に弱いと思ったら、低体温対策を十分に施してレースに臨みましょう。

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::: 山内のなんでだろう【箱根駅伝予選会を終えて】 :::

気温が低く、アップダウンも無い。高気圧に覆われて酸素が濃く高速レースになりそう。

直線が長いから厚底シューズを着用することでより加速度が上がり好記録に繋がるかも。

懸念点は雨と風。
体温が下がり後半ペースアップができませんでしたというのは避けたい。

予選会前日の山内のツイートです。
予想した通りになりました。
好記録が続出した一方、低体温症に苦しんだ選手もいたと報道にはありました。

こうなると予想できたはずなのに失敗をしてしまい結果的に致命傷になってしまうことに予選会の厳しさを感じました。

上手くは走れずベストを尽くせなかった選手たちへ。
失敗から学びましょう。
そして、より強くなることで来年は悔し涙が嬉し涙になりますように。
(山内)

::: 今週のアクション【”違和感”を使わない】 :::

”違和感”という言葉をよく耳にします。
膝や脛、足の甲などを指して、使う選手が殆どです。

その”違和感”に異議アリ!

それは疲労骨折かも知れません。
座骨神経痛かも知れません。
いずれにせよ、単なる筋肉痛とは違うという意味のようなのです。

ランナーなら、もっと具体的に表現しましょう。
どのような状態の時に痛むのか?
どのように痛むのか?
それによっても対処が違うはずです。
何でも”違和感”と言って済ませている選手の多くが取り返しのつかない故障を招いてしまっているのですから。

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無観客ではありますが、駅伝大会が開催されています。
大会関係者の皆様、本当に有り難うございます。
心より御礼申し上げます。

では、来週。

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