『食べない勇気』より、『正しく食べる知恵』を身につけよう!【セリア通信 vol.1000】

2026年10月27日

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皆さん、お元気ですか?

毎日のトレーニングお疲れ様です!

いつも「セリア通信」をご愛読いただき、本当にありがとうございます。
皆様の温かい支えに導かれ、このたび「セリア通信」は記念すべき第1000号を迎えることができました。 創刊以来、スポーツ栄養の知見やコンディショニングの大切さを発信し続けてきましたが、こうして大きな節目を迎えられたことに、心より感謝申し上げます。

この節目の号にあたって、私たちがこれまでの歩みを深く振り返るきっかけをくれた出来事がありました。 それは、日々のメールでの相談や実際の栄養指導の現場に立ち会い、セリア通信の考え方に深く共感して学びを深めてくれた1人の若いアスリートの存在です。 彼女が向き合い、探究した足跡には、今のジュニア長距離界が抱える切実なリアルが綴られていました。

そこから見えてきたのは、多くの女子中高生ランナーたちが
「走るために食事の重要性を頭では分かっていながらも、『太ったら走れない』『もっと軽くなりたい』という思いから、体重の数値ばかりを気にしすぎて十分なエネルギーを摂れていない」
という現実です。

日々のきつい練習を懸命にこなしているにもかかわらず、本来必要なエネルギーが足りないまま走る生活や、 安易な食事制限を続けてしまうと、スポーツ貧血や疲労骨折、無月経といった深刻な不調を招き、心身をすり減らして、やがて走ることから離れざるを得なくなってしまいます。

だからこそ、私たちはこの原点を強く伝えたいのです。
「陸上長距離選手こそ、健康でなければならない」
ということを。
美しさや軽さを求めて「食べない勇気」を振り絞るよりも、より強く、より健康に、誰よりも速く、そして誰よりも長く走り続けるための「正しく食べる知恵」を身につけること。 毎日の食事や栄養バランスに気を配ることは、決して遠回りではなく、食べることも含めて未来の自分を創る最高のトレーニングなのです。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 『食べない勇気』より、『正しく食べる知恵』を身につけよう!
2 セリアスタッフの舞台裏【セリア通信との出会い】
3 陸上雑感【現場のリアルを、皆さんのもとへ】

「セリア通信」では、これまでも多くのランナーが直面するコンディショニングの課題に対し、食事や生活習慣の面からアプローチを重ねてきました。ここでは、特に大切な3つのテーマを振り返ります。

『食べない勇気』より、『正しく食べる知恵』を身につけよう!

◆1. 「貧血・かくれ貧血」と食事・生活習慣の深い関係◆

【問題の背景】
「走るとすぐに息が切れる」
「記録が伸び悩んでいる」
という選手の中に隠れているのが、スポーツ貧血や、見落とされがちな
「かくれ貧血(フェリチン不足)」
です。

【セリア通信の視点】
単に鉄剤を補給するだけでなく、酸化した鉄は体に負担をかけることや、赤血球自体の材料となる良質なタンパク質やビタミンC、そしてエネルギーが不足していれば、いくら鉄分を摂っても改善しないことをお伝えしてきました。 お惣菜やコンビニ食に偏りがちな生活から抜け出し、主食・主菜・副菜を整えることの重要性を繰り返し訴えてきました。

◆2. 疲労骨折と「エネルギー不足・カルシウム・脂質」の連鎖◆

【問題の背景】
練習量や強度を増やしているわけでもないのに度重なる疲労骨折に悩むジュニア選手は少なくありません。その多くは、過度な食事制限によるエネルギー不足が根本にあります。

【セリア通信の視点】
骨の健康というとカルシウムばかりに目がいきがちですが、エネルギーが不足していると、骨代謝やホルモンバランスが正常に働きません。 また、ホルモン分泌や衝撃を和らげるクッションとして不可欠な「適度な体脂肪(脂質)」を極端に削ぎ落とすことが、いかにケガを招きやすいかを発信してきました。 食べることを恐れず、除脂肪体重(LBM)を守りながら強くしなやかな体を育む大切さを伝えています。

◆3.生理(月経異常)とコンディショニング・心身の健康◆

【問題の背景】
「体重が軽ければ軽いほど速いはず」という誤った思い込みや、体重減少を目的とした極端な食事制限は、女性ホルモンの分泌を低下させ、無月経や月経異常を引き起こし、心身のコンディションを乱し、カラダを蝕みます。

【セリア通信の視点】
これらは単に婦人科系の問題にとどまらず、将来の骨密度低下や疲労骨折のリスクに直結する、アスリート生命を揺るがす深刻な問題です。 食事を抜くのではなく、1日3食と補食を上手に活用して必要なエネルギーをしっかりと確保し、自分の体調や血液データの変化を正しく把握することが、結果として一番の近道であることを伝えてきました。

◆4. 次代へ向けて――セリア通信の使命◆

【正しい道を進むための羅針盤として・・・】
今の世の中はたくさんの情報で溢れています。 ネットやSNSを開けば、偏ったダイエット情報や根拠のない減量法が飛び交い、多感なジュニアランナーや保護者の皆様、そして現場の指導者の方々までもが、どれを信じればいいのか迷ってしまう場面も少なくありません。

だからこそ、私たち「セリア通信」が果たすべき使命があります。 それは、ネットの安易な情報に流されることなく、確かな知識と現場の知見に基づいた「正しい選択」ができるための羅針盤になることです。

【すべてのジュニアランナーや、それを支える保護者、指導者のもとへ】
そして何よりも、日々の練習で汗まみれになりながらゴールを目指す選手の揺れ動く心に深く寄り添い、誰よりも分かりやすく、温かい言葉でメッセージを届けていくこと。これが、1000号を迎えた私たちが次代に向けて守るべき誓いです。

冒頭でご紹介した若いアスリートが真摯な探究心で示してくれたように、知識は頭に入れているだけではなく、日々の生活や実際の食事の中でいかしてこそ意味を持ちます。そして、こうした大切な情報は、一部の恵まれた環境の選手だけでなく、 すべてのジュニアランナーや、それを支える保護者、指導者のもとに等しく届くものでなくてはなりません。

【日々限界に挑む大学生や実業団選手の皆さんにも】
ジュニア世代はもちろんのこと、日々限界に挑む大学生や実業団選手の皆様にとっても、 自身のコンディショニングを見つめ直し、心身ともに最高のパフォーマンスを発揮するための共感の輪が広がっていくことを願ってやみません。

セリア通信はバックナンバーの閲覧が自由となっております。 時代と共にスポーツ科学もどんどん進歩していますが、過去の情報も吟味して掲載いたしましたので、良かったらどうぞご活用くださいますようお願いします。

次の1001歩目からも、私たちは「選手の笑顔と健やかな走り」のすぐそばで寄り添い続けます。 これからも、「セリア通信」をよろしくお願いいたします。

::: セリアスタッフの舞台裏【セリア通信との出会い】 :::

はじめてセリア通信を読んだのは2011年。
私が社会人1年目の頃でした。
陸上競技ライターの寺田辰朗さんのウェブサイト(ご存知の方も多いはず!)で紹介されていたのを見たのがきっかけでした。当時、栄養の知識がゼロだった私は、セリア通信を読んで「こんな世界があったのか!」とビックリ。 特に印象に残ったのはこちらです。

【セリア通信vol.184】アスリートは豚肉が好き《1》カラダが欲するビタミンB1

スタミナに自信がなかった私はこれを読んで以来、豚肉を意識して食べるようになり、フルマラソンを走るようになっただけでなく、 今ではセリアスタッフとして皆さんに食事・栄養について伝える側になったのですから人生って面白いですよね。
(山内)

::: 陸上雑感【現場のリアルを、皆さんのもとへ】 :::

ネットを開けば、食事や練習の情報があふれる時代です。しかし、本当の答えは画面の中ではなく、選手が汗を流す「現場」にあります。

いま弊社のスタッフが、箱根駅伝を目指す大学生チームの食事に対するリアルな意識調査を行い、現場での栄養指導を進めています。選手たちの生の声を聞くからこそ、彼らがどこで迷い、どんな情報が必要なのかがはっきりと見えてきます。
机の上の理屈ではなく、実際の現場に足を運び、選手に寄り添って耳を傾けること。そして得られた情報をしっかり精査し、ジュニアランナーや指導者の皆様へ正しく届けること。

この「現場主義」のスタンスこそが、私たちの原点です。これからもグラウンドの熱量とともに、確かな情報を発信し続けていきます。

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各地で全国高校駅伝出場を賭けた戦いが始まっています。
勝敗はともかく、ご出場される皆さんが万全の体調で走れますよう心からお祈りしております。
思い通りの走りができますように・・・。

では、また来週。


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