長距離ランナーと朝ラン その2【セリア通信vol.907】

2025年1月14日

前ページ:長距離ランナーと朝ラン その1
後ページ:ランナーの筋肉や血液を育てるには その1

皆さん、おはようございます。
お元気ですか。

ヒトは恒温(こうおん)動物ですから、一年を通して体温を一定に保って生きています。
そのため気温の変化に合わせてエネルギー代謝を調整しているんです。

外気温の高い夏は代謝が低くなり、低い冬は高くなる仕組み。
ところが実際にはカラダの、季節の変化への対応は、やや遅れて現れます。
ですから、寒さにもいくぶん慣れた丁度今頃から春先にかけて、そのピークを迎えるんです。

寒さに慣れてきた頃のカラダ=エネルギー代謝が高い状態」と言えるでしょう。

エネルギー代謝が高いということは、その消費量が大きいということですね。
つまり、このタイミングを逃さずに上手に走り込めば脂肪燃焼が促進され、余分な脂肪が削ぎ落とされ、持久力もどんどん高まります!

だから、今年の目標を達成するのも、春に思い通りの走りをするのも、ライバルに差をつけるのも、今がチャンスなんです!

ランナーは冬から春にかけてが一番、成長しやすいということを覚えておいてください!

◆◇本日のメニュー◇◆

1 長距離ランナーと朝ラン その2
2 セリアスタッフの舞台裏【推しのキッカケ】
3 陸上雑感【保温の必要】

朝ランには「①走行距離をかせぐ」という目的がありました。
また「②生活リズムの構築が持久力を高める」こともお分かりいただけました。
これを嫌がるようだったら強いランナーにはなれないと、ここでハッキリ申しておきますネ。
トップランナーの皆さんは「目覚まし時計に頼らずに起きられる」ような生活をしているのも事実です。

長距離ランナーと朝ラン その2

◆③朝食前の朝ランと、その効果◆

朝、起床直後のカラダは空腹状態です。
そのため運動パフォーマンスに影響するエネルギー源、グリコーゲンが満タン時に比べると、かなり少なくなっています。
この低グリコーゲン状態で走ったら、どうなるのかという研究が盛んに行われました。
その結果、長距離ランナーの競技力を向上させるいくつかの効果があることが判明したのです。

◆その1、エネルギー回復を早める◆

安静時のグリコーゲン貯蔵量を比較した研究によりますと、朝食前の低グリコーゲン状態で朝ランして食事をした場合と、朝食後の高グリコーゲン状態で走った場合とでは、 空腹のまま朝ランしたほうがエネルギー貯蔵量が増えやすく、その回復も早くなることが判明したのです。

グリコーゲン貯蔵量が増えやすくなり、回復も早くなるということは、より長い距離が走れるようになり、ランによるダメージも少なくなるということですね。
このことは日本人トップランナーの多くが朝ランによって強くなってきたと言える根拠の一つとなっています。

◆その2、脂質代謝がアップする◆

低グリコーゲン状態での朝ランでは、体脂肪の利用が優先されるようになります。
このようなトレーニングを継続的に行なうことによって、ランニング時のエネルギー源として脂質がつかわれ、同時にグリコーゲンが温存される長距離ランナーに有利な体質へと変化します。

また、早起き習慣が身につくことによって、脂質代謝を促すホルモン(コルチゾール)の分泌が増えます。

早起き習慣(コルチゾール分泌増)+朝ラン=脂質代謝が向上→持久力UP

◆④朝ラン後の食事◆

このように朝ランには長距離ランナーの持久力向上には欠かせない効果があるんです。
さらに朝ランの効果を高めるためには「朝食」による栄養摂取も重要です。
そのポイントは「朝ラン後、速やかに食べること」です。

また、グリコーゲン(糖質摂取による)の回復も、筋肉(タンパク質摂取による)の回復も、どちらか単体で摂るよりも、お互いが組み合わさることによって吸収率が高まります。
糖質とタンパク質」がセットとなるような食事にするのがコツです。

皆さんは、朝早く家を出て、学校で朝練をしている方も多いでしょう。
その場合は学校の事情に合わせるしかありませんが、もし可能なら朝練後におにぎり(鮭・かつお節・シーチキン等)とゆで卵の組み合わせを軸に、素早く食べられるものを持参してください。

できるだけバランスが良いに越したことはありませんが、グリコーゲン回復の材料である炭水化物の食品(おにぎり・パン)や筋肉や血液の回復材料のタンパク質の食品(鮭・かつお節・シーチキン等やゆで卵など)は必須です。
タンパク質アップにはチーズやハムなどもお勧めします。

もし、朝練後に食べるのが難しいようなら、起床後に朝ご飯を食べてから通学して、朝練をおこないましょう。
この場合は、なるべく食事量、バランス共に十分な食事となるようにお願いします。

皆さん、このように朝ランによって、長距離ランナーは強くなるんです。
嫌がらずに、積極的にお願いします。

さあ、今日も走りに出かけましょう。

::: セリアスタッフの舞台裏【推しのきっかけ】 :::

2023年秋。
妻がジョギングをしていた時のことです。
対向車線で走っていた人を見かけたので、挨拶をしたところ、その人も
「おはようございます。」
と丁重に挨拶を返してくれたそうです。

その人の名はイェゴン・ヴィンセント。
HONDAに所属するケニア人ランナーで、大学駅伝での活躍は記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?
この挨拶の件以来、我が家ではヴィンセント選手のことを応援しています。

実業団1年目こそ目立った実績を残せませんでしたが、今年のニューイヤー駅伝ではインターナショナル区間である4区の区間賞を獲得しました。
今後の活躍にも目が離せません。
(山内)

::: 陸上雑感【保温のススメ】 :::

ランニング用のソックはくるぶしを覆わないアンクレット型がほとんどだ。
薄手で、丈夫で、通気性やグリップ性に優れているタイプが多い。
その分、保温性が劣っている。
たとえば冬の朝ランなどのときには足先が冷えて温まりにくい。
足先の冷えは足の甲(中足骨)の疲労骨折などの故障の原因になりかねないので注意が必要だ。

ランナーは足が命だから、いついかなるときも足の保温を心がけよう。
冬のジョグならなるべく厚手の素材のもので、足先の血流を促す足首まで覆うことのできるソックスを着用しよう。
練習以外のときも、足先の保温に努めたい。
レッグウォーマーなどを上手に利用して冷やさないように。

* * * * * * * * * * * * * * * *

三連休中は都道府県女子駅伝をはじめ、高校サッカー、春高バレー、大学ラグビー日本選手権、それに大好きな大相撲初場所も開幕!
観るだけで大忙しでした^^;

では、また来週。


前ページ:長距離ランナーと朝ラン その1
後ページ:ランナーの筋肉や血液を育てるには その1

セリアのご注文、ご相談はLINEからも受け付けております。
友だち追加


 今までのセリア通信はこちらから


 セリア通信の登録(無料)はこちらから


 御注文はホームページから