ランナーのカラダを仕上げるには その3【セリア通信vol.877】

2024年6月18日

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皆さん、お元気ですか。

先週末は各地で真夏日を記録。
高校総体地区大会も熱暑の中での開催となりましたが、会場には風通しの良い大型テントを用意するチームも増え、暑さを凌ぐための工夫がそこかしこに見られました。

ところで発汗すると、血漿量が少なくなります。
そのため心臓などの循環器系への負担が増します。
だから発汗時には、少なくなった血漿で全身への血液循環をまかなうために、心拍数や心拍出量が一気に高まります。

皆さんは水分補給、電解質補給の必要性は、もう十分にご存知のことと思います。
その一口が、心臓への負担を減らしているということもご理解ください。
また、腸や内臓などの深部温度も高くなっています。
身の危険を感じる暑さの時には、カラダの内側から冷やす必要もありますので、アイススラリーやアイスベストなどのご用意があると安心です。

使う必要がなかったら、それで良し!
十分な備えをお願いします。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 ランナーのカラダを仕上げるには その3
2 セリアスタッフの舞台裏【ランニング文化】
3 陸上雑感【高校総体東北大会】

ランナーのカラダを仕上げるにはその1は、「体内時計リセットの必要」でした。
そのことによって自律神経系、内分泌系、そして免疫系という「生命維持の三つの働きが整えられる」からです。
その2は、「タンパク質摂取の必要」でした。
活動や休息の効率を高めるホルモンの材料となる栄養だからでした。
そして、仕上げにもう一つ、大切なホルモンのお話です。

ランナーのカラダを仕上げるには その3

◆上手にリラックスしよう◆

大事な試合やレースが迫ってくると、それだけで緊張してしまう方も多いようです。
そんなあなたにこそ、やって欲しいのが生活の制御です。
まず、規則正しい生活を徹底します。(それが自律神経系を整えます)
そして、タンパク質の摂取を心がけます。
(タンパク質不足→①不調・貧血・故障の原因。②ホルモン不足)
さらに、上手に休息をとり、リラックスしましょう。(幸せホルモンの分泌を促します)

この幸せホルモンがカラダを研ぎ澄ませ、ココ一番で力を発揮するのを助けてくれるからです。

◆幸せホルモンとは◆

この幸せホルモンとは、オキシトシンのことです。
自律神経系の働きをつかさどる、脳の視床下部でつくられます。
だから体内時計が整った生活をしているだけで、ストレスが解消されやすくなるのです。
また、オキシトシンが十分に分泌されることによって、自律神経系の副交感神経の働きがたかまり、不安が解消され、集中力が高まるのです。
今まで経験したことのないような大きな大会や注目の試合で
「緊張のあまり力が発揮できなかった・・・・。」
という選手のなかにはオキシトシンが足りなかったというケースもあるはずです。

◆脂質代謝もアップ!◆

オキシトシンは脂質代謝を活発にします。
それによってエネルギー消費量を高め、体温を上昇させるのです。
同時に血管を広げて血圧を下げ、心拍数を低く保ちます。
それらによって安心感を抱くばかりではなく、信頼感や共感を覚えるようになり痛みを抑制し、過食を抑え、免疫系も強化されます。

一方で働き詰めになると、オキシトシンの分泌が低下します。
そのためにストレス過多となりやすく、緊張や不安が付きまとうようになるのです。

◆マッサージの効果も◆

大会が近づくと「信頼している治療家やトレーナー」のもとを訪れる選手も多いことでしょう。
ケアや調整を兼ねて施術してもらうのはもちろんですが、カラダもココロも揉みほぐしてもらうことによってオキシトシンの分泌が促され、安心感を抱ける選手も多いことと思います。
「なんだか緊張していて、いつもと違うな」と感じたらご家族にマッサージをお願いすると良いでしょう。
その効果は計り知れません。

◆体調を整える3つの仕組み◆

自律神経系、内分泌系、そして免疫系は互いに影響し合いながら体調を保持してくれています。
この関係性を十分に理解することがコンディショニングには欠かせません。

試合に照準を合わせたスケジュールを組み、メリハリのある生活をすることができたら最高の状態に仕上がるはずです。

とくに陸上長距離ランナーのパフォーマンスはコンディションによって大きく変わってしまう性質がありますね。
自分のカラダと上手に向き合いながら本来の力が引き出せるようにするためにも3つの関係性を今一度、よく考えてみてください。

この夏、大事なところで力が発揮されますように・・・。

::: セリアスタッフの舞台裏【ランニング文化】 :::

週末は関東高校陸上大会を観戦するために、東京都の駒沢公園に行きました。

車を停めるのが大変とSNSで見かけたので、自宅を朝4時に出発し、6時には現地に到着。
無事車を停めることができました。

選手や先生方が来られるまで時間があったので、公園内を歩いていると、早朝にもかかわらず多くのランナーが走っているではありませんか。
じつは公園に来るまでの道中でも、ジョギングをしている市民ランナーを多く見たのでした。

以前、マラソンで五輪2連覇を達成したエリウド・キプチョゲが
「日本のランニング文化は素晴らしい。」
と言っていましたが、早朝から走っているランナーたちをみて、私も同じことを感じました。
これからもこの文化が続いてほしいです。
(山内)

::: 陸上雑感【高校総体東北大会】 :::

福島県営あづま陸上競技場に到着したら、温度計は東京より暑い34℃を指していました。
まだ、午前中だというのに自動販売機には売り切れの表示が・・・。
想像以上の暑さの中での大会となっていました。

それでも木陰に入ると吾妻小富士が吹きおろす涼風の心地よさを味わうことができました。
あの山の向こうには夏合宿が盛んに行われる桧原湖があるのだといいます。
何より、たくさんのセリアユーザーチームの監督・スタッフ・選手・保護者とお会いできたのがとても嬉しかったです。
ほんとうに、みんな元気でした。
来年は何処へ・・・。
(山根)

* * * * * * * * * * * * * * * *

23日(日)、全日本大学駅伝の関東予選会が開催されます。
思えば駅伝シーズンまであと、3ヶ月余り。
十分な準備が出来ますように。

では、また来週。


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