ランナーと汗#1 汗って何だろう?【セリア通信vol.671】

2020年7月7日

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皆さん、お元気ですか。

” 国家試験に合格しました! “

この春、東京農業大学を卒業し晴れて管理栄養士になった元男子長距離選手から嬉しいメールが届きました。

彼から進路相談を受けたのは5年程前のことでした。
大学進学を自力で成し遂げた頑張り屋さん。
学生生活の充実ぶりが窺い知れる言葉がメール一杯に埋め尽くされていました。

“ 一人でも多くの人たちを健康にしたい!! “

そんな情熱の持ち主だから、いつかスポーツの世界に招き入れたいのです・・・。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 ランナーと汗 #1 汗って何だろう?
2 山内のなんでだろう【レース前にカラダが重い?】
3 今週のアクション【すぐに洗おう】

汗をかくのが恥ずかしいのですが・・・。
汗が多いのはいけないのでしょうか?
そんなご相談が増える頃です。
そこで、みんなが気になる汗についてまとめてみました。

ランナーと汗 #1 汗って何だろう?

◆汗をかく動物は?◆

早速ですが、問題です。
次のうち汗をかく動物はどれでしょうか?

1、サル
2、ウマ
3、イヌ・ネコ
4、ヒト

答えは、ウマとヒトです。

◆進化のしるし◆

過度に体温が上昇すると脳が疲労して活動できなくなります。
サルは森の中の限られた範囲での生活でしたが、ヒトは野に出たため移動距離が増えました。
それゆえに汗の機能が発達し長時間動けるように
進化したのです。

◆だから運動し続けられる◆

イヌが走り続けられるのはせいぜい15分ほどです。
これに対してヒトは2~3時間のランニングか可能です。
このように私たちは汗をかくから長時間走ることが出来るのです。
汗をかくのは弱い選手だからと決めつける方がいますが、決してそんなことはありません。
汗をかけるからこそ長時間のランニングが可能なのです。

◆発汗のメカニズム◆

私たちの体表や体内には熱を感知する受容器があります。
気温の上昇や体温上昇を感知するとその情報は求心性神経を介して脳に伝わります。
それをもとに脳の体温調節中枢(視床下部)が必要に応じて発汗を促します。

◆汗腺の数◆

汗腺数は幼少期(3歳頃)までに決まると言われています。
暑い地域で育った子供はたくさん汗をかいて体温を調節します。
そのため一般には汗腺の数が多くなる傾向があります。
反対に寒冷地で育ったら少なくなるようです。

このように汗腺数には個人差がありますので、汗のかき方も人それぞれなのです。

いずれにせよ暑かったり、長時間の運動時に汗をかくのはカラダが健康な証です。
どうか毛嫌いせず、上手に付き合って下さい。
汗がかけるカラダであることに感謝しましょう!

 来週は汗の種類について解説します。
 お楽しみに。

::: 山内のなんでだろう【レース前にカラダが重い?】 :::

マラソンレース前、体が重いと感じることはありませんか?

その秘密は食事にあります。
エネルギー源であるグリコーゲンを溜め込みますね。
カーボローディングのことです。

グリコーゲンの体内貯蔵量は最大500gにも及びます。
また、グリコーゲン1gと水3gが一緒になって肝臓と筋肉に貯えられますので、合計で2kgもの体重が増えるのです。

レース前に感じる体の重さはグリコーゲンが十分に溜まっている証拠です。

最初はスピードが出なくても心配は要りません。
レースが進むにつれグリコーゲンが使われるため体が軽くなりペースも上がることでしょう。

::: 今週のアクション【すぐに洗おう】 :::

ランニングウエアはいつも清潔にしておきたいですね。
そのためには練習後、すぐに洗濯して下さい。
時間が無い時はサッと水で洗って、酸素系漂白剤につけておきましょう。
雑菌の繁殖を防ぐため嫌な臭いもせず、色落ちの心配も要りません。
洗濯機に放り込んで放置するのは最悪です。
雑菌の好む条件が揃い(湿気・汗・皮脂)繁殖し放題になり臭気が抜けなくなります。
また、洗濯ネットに入れて洗うと傷み難く長持ちしますよ!

  * * * * * * * * * * * * * * * *

少しずつ各地で競技会が開催され始めました。
地域陸協や中体連・高体連の先生方などのご苦労は如何許りかでしょうか・・・。
数少ない機会ではありますが、選手の皆さんには感謝を忘れずに走って欲しい。
その上で精一杯楽しんで欲しいなぁ。
  
では、また来週。


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