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No.20


日本食のすすめ(16)
朝は金

日本では中世まで朝餉(あさげ)、夕餉(ゆうげ)の二食が普通でした。それも腹保ちの良い「強飯・おこわ」が主でした。烈しい労働に従事する農民等は間に軽食を摂っており、これが次第に昼食となっていきました。室町時代になると、炊飯技術が向上し、現在のご飯に近い「姫飯・ひめいい」が主流となります。しかし、消化が良いので空腹になるのも早く、また精白米は栄養的にも不足することから三食化が進みました。現代ではこの三食形態が変化しつつあります。時間が無い、面倒だという理由で最も疎かになっているのが朝食です。朝は金と言われるように、朝食こそが大きなキーポイントとなります。まずは充分な水分補給。排尿や睡眠中の発汗で血液・体液が濃くなっています。次いで速効性スタミナ源のでんぷん・糖分等の炭水化物。パン、シリアル等の粉食よりご飯、お粥等の粒食を摂る方が消化吸収も良く、力が出ます。そして、じわじわ型のスタミナ源、これはバターや肉類等の脂肪。午後のトレーニングまで効果が持続します。最後にやる気の源。睡眠中に体温が低下すると共にやる気というものは失われますが、タンパク質を補給することで急激にアップします。日本食の代表選手・納豆、味噌汁あるいは定番の目玉焼き等は理に適っているわけです。その他、瞬発力と持久力の源・グリコーゲンを蓄積する為には、オレンジジュース等に含まれる柑橘系クエン酸を摂れば完璧です。常に自宅で摂る朝食は量やメニューをコントロールしやすいはずです。朝が金の人は、その日一日が素晴らしいものに違いありません。(則)