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No.15
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繰り返される愚行
東京国際女子マラソン
繰り返される愚行 東京国際女子マラソン この日の国立競技場は山口衛里選手のセンセーショナルな優勝に湧いた。プレスルームでは報道関係者のインタビューが行われ、華やいだ空気の中、山口選手の一挙手一投足が注目された。誰もが、オリンピック代表の最有力候補に熱い視線を送っていた。彼女の言葉も軽く、絶妙なテンポで会見が進んだが、やがて敗れた千葉真子選手が臨むと、辺りは一転して沈痛な空気に包まれた。報道側の言葉も少なく、選手自身が明るく振る舞おうとしているのが、逆に辛い。同じく注目されながらも結果が出せなかった鈴木博美選手は現れなかった。勝負の世界の現実はあまりにも厳しく寂しい。 シドニー・オリンピックに向け、熾烈な代表権争いが繰り広げられている。女子マラソンは今回も激戦だ。世界レベルの好記録を次々と打ち出す日本人選手にはメダル獲得の期待が大きいだけに、選考も困難を窮めている。先日、すべての選考レースを待たずに、代表の内定が発表された。これは多くの波紋を投げかけている。選考基準が明示されず、陸連のやり方に選手も監督も振り回されている。基本的には複数の選考レースの結果を基に陸連が最終決定する。 しかし、これまでのオリンピックで必ずしも良い結果を生んでいない。候補中、最もいい記録を持つ選手が選ばれなかったり、無理して選考レースに出た為に本番での調整に失敗したり、見ている側ですら辛い思いをしてきた。今一度、見直す必要があるのではないだろうか。そこで一つの選考方法を提案したい。推薦・記録・選考レース、この三つの枠で決めたらどうだろう。推薦とは、国民が期待を寄せる選手である。オリンピックが国を背負った試合ならば、まずは国民が納得する様にすべきだ。記録とは、紛れもなく日本最高記録を持っている選手。選考レースとは、陸連が決定したレースで国内最高位の選手。この選考ならば誰もが納得出来るのではないだろうか。 選手にプレッシャーばかり与え、伸び伸びと競技出来ない状況に追い込んでしまう体質を今、改善しなければ、どんな逸材が出てきても、芽を摘む事になりかねない。陸連には旧態依然たる考え方を払拭する勇気を切に求める。スポンサーとの諸問題も理解出来るが、スポーツが金銭的事由でその本質的意義すら見失う事のないように祈っている。 |
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・ラグビーの日本選手権は二月二七日に決勝戦が行われ、神戸製鋼の優勝で幕を閉じた。以前は、社会人と学生の両チャンピオンが日本一を賭けて対戦していたが、上位四チームずつのトーナメント方式に様変わりした。 サッカーの天皇杯でもプロアマ関係なく争われるが、接戦も多い。ラグビーでは二、三〇点どころか一〇〇点近い差が付き、試合にならない。体格や身体能力の差はもちろんだが、それ以上に明らかなのが意識の差である。 |
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