Seria Net
No.14


論 走
馬酔木賢者

実業団スポーツにおいて、多くの選手やスタッフがその職場を追われ窮地に立たされている。 想像を超えた最悪の事体になってしまった。バブルの時代、企業活動の膨張が広告塔としてのスポーツクラブを甘やかしてしまったのだ。甘い汁を吸い過ぎた選手達は明らかに肥満し過ぎてしまった。母体である企業が傾きかけた今、そこに寄生するものも運命を共にする宿命にある。次代を睨んで立ち上がろうじゃないか。肝心なのは新しい道を切り開く勇気を持つ事。本当にスポーツが好きならば思う存分取り組める環境を自ら開拓するべきだ。野茂や中田の活躍は未知の領域への一歩から始まった。既成の概念に捕われがちな日本人は、そうしたフロンティア・スピリットを持ち得ない。しかし、経済が崩壊しつつある今こそ、自立する強さを持たなくてはいけない。さあ、外に飛び出そう。スポーツの語源は「気分転換」、発想の転換だって必要な時があるさ。