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No.12


止めようジャンクフード
ジャンクフードのどこが悪い

味覚を育てよう
フランスでは1990年から「味覚の授業」が全国の小学校で行われている。ファーストフードの流行や家庭料理の崩壊に危機感を抱き、また伝統的なフランス料理文化を守る為、著名な料理人達が教壇に立ち、味の基本や食の楽しみを教えている。味覚は乳幼児期に基礎が出来上がる。この時期に食べるものが偏ったり、種類が少ないと、味覚や嗜好の幅が狭まる。小さな頃からファーストフードやファミリーレストランの画一的な味に慣れ、手作りの料理よりも加工食品の方がおいしいと感じる子供達には、食材の本当の味が分からない。それだけでなく味覚障害の恐れもある。

微妙な味が分からない事は、カロリーの取り過ぎや栄養の偏り、そして生活習慣病につながる。現代の食生活は化学肥料、農薬、食品添加物に蝕まれている。加工食品の比率が増えれば当然リスクが大きくなる。日本料理は五味に加え複雑で豊かな旨味を持っている。しかし、親世代がインスタント食品やファーストフードで育ったとしたら、自分の子供達に正しい食教育ができるのだろうか?

東京の私立小学校でも「味覚の授業」が行われたそうだが、家庭内での教育が希薄になっている今、授業に頼ってでも本当に美味しいものを認識できる舌を養って欲しい。それが自分の身体を守る武器になるのだから。