Seria Net
No.06


コラム

開かれた施設を
辰口町に学ぶ
立派な設備もきれいな道具も使われるためにある。芝を痛めるから投てき練習は禁止、そんな競技場では意味がない。午後5時まで、しかもスパイクを履かないと使用できない野球場等々、市民を無視した規則は枚挙にいとまがない。もっと自由に、使い易い施設の在り方はないのだろうか。石川県能美郡辰口町では、総合運動公園の拡充を進めている。全天候型の競技場をはじめ、どの施設も本格的なものばかり。なかでも驚いたのはいつでも開放されていて、自由に出入りできることだ。最小限度の人数で管理を行い、使用団体に維持管理への協力を働きかけている。人件費を減らすこと、使用者も責任を負担することが無料開放を実現させている。利用者が不特定多数の都会では困難かもしれない。しかし都会だからこそ必要なのではないだろうか。現に織田フィールドが陸上のメッカとして賑わっている事実に目を向けて欲しい。そして毎日利用する者にとって2時間200〜400円の使用料が決して安くはないことも。
T.Y

正しいトレーニング
31歳、実業団選手の呟き

ある実業団選手からこんな相談を受けた。「スピード練習について行けない。」栄養面、生活面、どこも問題が無い。考えられる原因は31歳という年齢だ。24歳前後の選手とほとんど同じメニューで練習をしているという。すでに本人に無理があるが、そこで結果を出さないと監督に認められないというチームにも問題がある。大阪国際女子マラソンで優勝した35歳のカトリン・ドーレ選手は、強さの秘訣は?の質問に「正しいトレーニングを続けていることです。」と答えた。ハードなトレーニングの後には、ゆっくり精神的な休養をとることらしい。きっと肉体、年齢、性格、環境に合った納得の行くトレーニングが日々積まれているのだろう。また、そのような生活環境を築き上げるまでにも相当な苦労と努力があったに違いない。両者のちがいは、著しい。正否はその結果が示している。結果が第一の、学校や企業は休養も又、大切なトレーニングである事に、もう気付いてもよい頃だ。
C.F

私達のカンパニースピリット
オペラ歌手、パバロッティと筑紫哲也の対談を見た。戦争で痛めつけられた子供達へのチャリティーコンサートについてのインタビューだった。自身の戦争体験から、歌で少しでも彼等の心を癒せるなら、とごく自然体でやっている。政治とは関係なく、超一流であることを鼓舞するわけでもなく、他の一流アーティストにも賛同を呼びかけていた。精神、意志、理性、行動力・・・。一言では納まらない心の豊かさである。さらに、オペラ歌手はアスリートに似ているという。長丁場を乗り切るための体力、知力、そして、ここ一番の集中力。スポーツも同じだ。そして最後は自分との闘いである。私達は、アスリートを目指す皆さんの強い味方になりたいと思っている。パバロッティのように、他人の痛みを自分の痛みとして感じる、そんな心をもった協力者になりたい。これが私達のカンパニースピリットである。   S.F