Seria Net
No.05


コラム

スポーツ中継に筋書は要らない
最近の放送には腹が立つことが多い。あの山梨学院のリタイアに象徴されるように、アクシデントが多いほどスポンサーは顔を綻ばす。民放もNHKも関係なく、冷静さと公平さを欠いている。有力チームの戦力シュミレーションや注目選手のインタビューばかりに終始し、下位のチームなどは名前すら映らない。
緊迫した展開の中で「筋書のないドラマ」であるはずレースを、感動の押し売りと賭け事まがいの予想で台無しにしている。予期せぬ選手の活躍に動揺し、名前を間違えるなど言語道断。
心ない一言で傷つく選手のやりきれない気持ちを考えたことがあるのだろうか。純粋なスポーツファンも苦りきっている。スポーツ中継はありのままでよい。

うつむく選手たち
数々の駅伝や市民レースに出場してきたが、どの会場でも目につくのは、レース後に高圧的にどなっている監督の姿だ。選手は皆うつむいている。監督の声は、選手の耳にも心にも届いていないようだ。
結果はそれまでの積み重ね、当日の不調だけが走れなかった原因ではない。一緒に練習してきたはずなのに遅ければ選手だけが責任を問われる。ショックを受けているのは選手自身のはずである。どうして「お疲れさん、また明日からがんばろう」と声をかけないのだろう。その日はそれだけでいいはずだ。
いきなり怒っては、ためになる話も素直に聞けないだろう。それぞれのチーム事情はあるだろうが、客観的にみてあの光景はあまりいいものではない。
心も体もクールダウンして次の日からの練習を考える前向きな姿勢が大切だと思う。選手と肩を並べて走り、語り合う監督がもっとふえればいいのにと思う。