佐野日大高校
走るのが好きなやつばかり
「目標はインターハイ出場と都大路を走ることです」小林キャプテン以下全員、思いは同じだ。実現がより近いと感じるのは過去4回、県高校駅伝優勝という実績があるからだ。昨年の中山キャプテンは北関東大会2年連続「3千障害」優勝、「インターハイ5位」入賞と、後輩たちにかけがえのないものを残してくれた。
堀込隆先生の熱意と旺盛な探究心も彼等の原動力となっている。駅伝の大失敗の悔しさから行動範囲を拡げようと大型免許を所得したり、5秒差で京都を逃した翌年からは夏の九州駅伝合宿にも参加している。失敗や挫折をバネに成長してきたチームといえる。「背水の陣にならないと動かないのです」とおっしゃるが、そのバイタリティーは生徒に確実に伝わっている。
「生徒が主人公、毎年リーダーは代わるので、その年のチームカラーを大切にしたい」信条は''生徒に学べ''そこには行動力と思いやりが感じられる。また、長距離だけではない。「短距離の活躍で2年連続県高校総体男子総合優勝ができました」部員は男子40名、女子3名。短距離19名、長距離21名、うち10名が寮のように同じ下宿で生活している。
高校生が親元を離れて大変なのでは?「大変なのは洗濯だけ。走るのが好きなやつばかりなので、お互いにマッサージしたりして結構楽しいです」好きだから出来る、好きだから夢が叶う。いつまでも走り続けて欲しい。
小金南中学校 駅伝部
夢と憧れ、胸一杯
三年間の限られた学校生活で全国を目指すことは容易ではない。無理をすれば心と身体に負担がかかり、故障に苦しむばかりか、走ることが嫌いになってしまう。それでは本末転倒だ。
将来への夢や憧れを胸一杯に走れるチームができたらどんなに素晴しいだろう。国際的なアスリートの育成には競技力はもちろん、高い理想が不可欠なのだから。今シーズン、千葉県でひときわ輝いていた彼らにはそんな予感がある。キャプテンの辻本君はエースとして、昨夏の全国大会にも出場。練習はもちろん、勉強でも進学校の難関に挑むチームの牽引者。一流選手に成りうる要素を兼ね備えた未完の大器だ。1区の重責を果たしてきた努力家の大石君は安定度No.1。荒削りながら底知れぬ力を持つ坂元君、野球、サッカー出身の熱海君、関根君の頑張りがチームを全国へ導いた。また、新人戦で2位に輝いた池田君の成長も大きい。
しかし、何よりみんなの力になったのは補欠の選手がひとりも諦めずに頑張ったことだ。今どき珍しくまとまりのあるチーム。荒木邦弥先生の十余年の情熱が実ったといえる。「ひとりのボクサーのひた向きな姿がスポーツに対する思いを変えてくれた」と先生は語る。野性味溢れる生きざまに、トレーニングの真理を見たのだ。真面目で努力家で探究心も旺盛。そんな先生の姿を見てきたからこそ、チームが理想の姿になったのではないだろうか。
いちはやくセリアを取り入れ、選手の育成に努めてきた。先生の下から巣立った選手は必ず活躍している。
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