Seria Net
No.03


Club Voice
陸上競技・ランニングを愛する人たちの集まったクラブを紹介します

NTT東京陸上競技部
走る企業戦士たち

実業団スポーツもすっかり様変りしてしまい、今ではその在り方が問われるようになってきた。プロ化の波は否めず、代償として得たのは企業の業績にチームの存続すら脅かされるような脆弱な体質。選手はもちろん、将来を目指す若いアスリートたちも考え直す時期が来ているのではないだろうか。電電の響が懐かしいNTT東京の皆さんは、日本のトップ企業を支えるまさに走る企業戦士。
未だに誰も引退後の退社はいないというあたりにその仕事振りがうかがえる。「チーム目標は全日本実業団駅伝、そしてマラソン日本代表を。」と熱く語るマネージャー兼任選手の妹尾さんは技術開発センターに勤務。一社会人として立派に自立しながら、陸上でもトップを目指す姿には大人の魅力が漂う。
選手は11名。都区内の各支店から国立競技場に集い午後3時から練習している。「5時まで仕事してからの冬のマラソン練習はたいへんだった。」と往時を語るのは、菅谷監督。今では他のチームに負けない恵まれた環境になったとはいえ、リュックを背負ってランニングで駆けつける選手の姿も多く、この辺りに 電電時代から受け継がれた集中力と伝統の強さを見た思いがした。さらに昨年、東日本実業団駅伝で不覚をとり全日本への出場権を逃したことがチームをヒートアップさせたようだ。再起をかける今年は春先から、好記録が続出している。一月の東京シティーハーフマラソンでは藤野選手が日本歴代8位の1時間 分 秒で 位に。そして、戸田、相川の両選手も自己ベストを更新。二月には根岸、小杉、大津の各選手がマラソンで自己最高をマークした。さらに、四月には群馬リレーカーニバルで武田選手が入賞、五月の静岡国際陸上では藤野選手が5000mで 分台をマーク。
「みんなに行けといわれればいつでも行きますよ。」一昨年あまりにも早く他界した前マネージャーの故佐藤さんが、病床から青東駅伝の選手に向けたエールが忘れられない。スカウト合戦に終始し、多額のお金をかけているチームと違い、陸上を愛する社員に支えらながらここまで育まれてきたチーム。その底力は期待を裏切らない。

NTT東京の皆さんは、大人のチームだけあって栄養も自主管理が原則。セリアも一人ひとりのコンディションに合わせて個人でご使用いただいております。実業団のなかではいちはやく、サプライズにもご理解をいただきました。競技への関心はもちろんのこと、都心での練習から活性酸素や自動車の排気ガスなど、からだへの心配が尽きないようです。