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ホウレンソウは貧血を助長?
鉄分が豊富で貧血予防に効果があると信じられてきたホウレンソウが逆効果であるとの研究結果が発表された。広島女子大の研究グループがラットを使って実験したものだ。原因はホウレンソウに含まれているシュウ酸。本来、鉄分は腸内で吸収されるが、シュウ酸はそれを妨げ、体外に排出してしまう。

こうして起きた鉄分不足が赤血球に含まれるヘモグロビン( 酸素を運搬する)の形成を阻害し、貧血を引き起こすという説だ。さらに鉄分だけでなく、骨を形成するカルシウム、リン、マグネシウムの吸収にも影響があるとのこと。

しかし、この研究結果だけでホウレンソウを悪者扱いするのも考えものだ。大量に食べ続けたら、の話であって、普通の量ならほとんど害はない、という研究者もいる。鉄分以外の大切な成分、例えば体内でビタミンAに変わるベータカロチンや赤血球の減少を防ぐ葉酸というビタミンも多く含まれている。

気を付けたいのは、貧血にならないようにとホウレンソウばかり食べ続けるのは意味がない、ということ。鉄分の多いレバーやしじみなどの動物性食品も組み合わせてバランス良く食べれば問題ないはずだ。