2008年6月10日
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梅雨に入りましたね。
でもアスリートの皆さんは「外でのトレーニングが憂鬱だ」なんて言ってられないですよね。
前向きに取り組む為の工夫が必要かもしれません。
もちろん、雨の中で練習する訳ですから、体調管理には気を遣いましょう。
先週から「お弁当」にスポットをあてています。
学校に通う時、大会に出掛ける時、様々なシーンでお弁当が必要になってきます。
その回数が多ければ多いほど、その中身を質の高いものにしないと体調を崩す原因になってしまう、というわけです。
たかがお弁当、と軽視しないで、今一度考えてみましょう。
山根さんの経験も含めた、興味深い話が聞けそうですヨ・・・
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│"ー"│アスリートとお弁当 【2】
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◇あの夏の経験から◇◆◇……・━━━…・┿
25年前、東京農業大学林学科に在学中の事です。真夏の林業実習が群馬県妙義山で行われました。実習とは名ばかりの過酷な労働に2週間明け暮れたのです。
山の急斜面での作業は汗の乾く間もありませんでした。
鉈(なた)、鋸(のこぎり)、下刈り鎌を振り回す危険な作業ですから気も抜けません。
そんな私たちの楽しみは、毎朝配られる大きなおむすび二つ。中身は酸っぱい梅干しと塩鮭です。
そして、これだけで日暮れまで働くことができたのです。
もっと驚いたのは駅伝部の選手たちです。
作業を終えると現場から宿舎まで何キロも続く山道を走って帰っていくのです。
当時の農大は箱根の優勝候補でした。
◇おむすびの力◇◆◇……・━━━…・┿
でも、不思議ですね。何故、おむすび2個だけで頑張ることができたのでしょう。実はこの食べ合わせに秘密があります。ご飯は炭水化物を多く含む優れたエネルギー源です。
これに梅干しの酸味成分クエン酸が加わることで、エネルギー効率がアップします。
クエン酸は炭水化物を力の源となるグリコーゲンに変えて、筋肉や肝臓に貯える手助けをします。
食べたものがすぐに力になったので、頑張ることができたんですね。
また、塩鮭はタンパク質を多く含みます。タンパク質は少量でも消化吸収の過程で熱を発生させます。
ひと切れの塩鮭が体を温め、活動的にしてくれたのです。
焼き肉やすき焼きを食べると体が熱(ほて)りませんか。これも同じ作用によるものです。
さらに塩や海苔は汗で失われたミネラルを補ってくれます。
日本の代表的な携行食であるおむすびには、昔からの知恵がいっぱい詰まっていたんですね。
◇お弁当の基本と応用◇◆◇……・━━━…・┿
お弁当も、試合前の食事も、基本は「ごはん+梅干し+タンパク質」と覚えて下さい。例えばおむすびの具材なら、梅干しと塩鮭でも構いませんし、佃煮などにするのも良いですね。
タンパク質を何にすればよいか、色々応用してみて下さい。
その上でおかずや野菜、果物などを組み合わせ、バランスを整えます。
試合時やダイエット期は基本に近いものだけでも良いでしょう。
ハードなトレーニングが続く時は、量も種類もしっかり摂るように工夫します。
大切なのは、自分の体調やトレーニングスケジュールをきちんと把握し、運動に見合った栄養バランスを考え、お弁当の内容を構成することです。
◇ランチボックスのススメ◇◆◇……・━━━…・┿
アスリートにはランチボックスをお勧めしています。大きなプラスチック容器でも構いませんし、何度もご紹介している保冷バッグも便利ですね。
お弁当以外にも色々用意して登校しましょう。
オレンジなどの100%果汁。バナナ、リンゴ、ミカンなどの果物。
ビスケット、クッキーなどのエネルギー補給食。 チーズ、ヨーグルトなどの乳製品。
セリアなどのサプリメントetc.。
コンビニや購買で思いつくままに買うのではなく、まず一日のスケジュールを頭に入れ、何をどのタイミングで食べるのかを考えましょう。
経済的ですし、食べ過ぎやエネルギー切れも防ぐことができます。
毎日、ランチボックスの中身を考えることが、ダイエットにつながっていくはずです。
トレーニングやウェアーの事を考えるのと同じ様に、食べることにも気を遣うこと、それが皆さんのプライドとなるよう願っています。
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梅干しって優れた食べ物なんですね。見直してしまいました。(笑)
昔から今まで受け継がれてきたもの食べ物というのは、日本の気候風土や生活習慣、日本人の体質などに合っているんですね。
カラダが資本であるアスリートが、そうした食べ物を利用しない手はありません。
流行りのものばかりに飛びつかないで、ちょっと地味だけど味わい深い、日本人の知恵が一杯詰まった食べ物に目を向けてみましょう。
★山根氏のつぶやき☆★──────────────────────────────────☆
お相撲さんの食事を「ちゃんこ」と言います。部屋毎に代々受け継がれた秘伝の味があるようです。
親交のある春日錦関から、春日野部屋のちゃんこの秘密を聞いたことがあります。
興味深かったのは、食材それぞれのうま味を味わう為、ごちゃ混ぜにしないという事でした。
つまり、寄せ鍋にはせず、肉は肉のうま味を、魚は魚を味わうところが、他の部屋との大きな違いだと教えてくれました。糖尿病や痛風の力士がいない唯一の部屋だと
マネージャーが自慢していましたが、力士の健康は伝統のちゃんこに育まれているようです。
それにしても、知り合いの取り組みは、ハラハラドキドキしてとても見ていられません。
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「ちゃんこ」と言えば「ごった煮」のようなイメージでしたけど、違うんですね・・・失礼しました。
それぞれの食材の旨味を味わうことは、味覚を養う上でも大切ですし、
自分の必要としている栄養素を見極めることにもなりますね。う〜ん、恐るべし春日野部屋。
私も、一つ一つの食べ物をもっとよく味わうようにします。
この季節、食中毒にも十分気をつけて下さいね。
それでは、今週も皆さんが健康でありますように。
See you next week!!
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