Seria Net
No.12


ヤマタケが斬る

クレアチンの危険性
クレアチンがスポーツ界を席巻している。エネルギー合成を促進し、莫大なエネルギーを生み出す、と誇大広告が展開されている。 筋肉を構成するタンパク質はアミノ酸とペプチドから成っている。クレアチンの正体は三種類のアミノ酸から構成されるペプチドで、運動エネルギーを合成する過程においてクレアチンをサプリメントで摂れば、食事でタンパク質を摂るより吸収しやすく、パワーアップに繋がるという狙いで研究が行われている。その効果については専門家の意見も分かれており、はっきりしない。

しかし、危険性についてはハッキリしている。特に含有するイオウは多量に摂取すると、その毒性により障害が出る可能性がある。危険性があるものは、使用してはならない。同様にプロテインの使用にも注意が必要であり、子供の判断で使用するのは余りにも危険だ。ドーピングに対して毅然とした態度で臨むのと同様に、人として豊かな心と身体を育んでほしい。勝敗や記録を先行させた安易な薬物使用は決して許されない。サプリメントは安全性が明確でないものは避けるべきだ。

生活廃水が流れ込んだ湖沼では富栄養化が進み、草木が巨大化し、青藻が異常繁殖している。同じ事が人の身体にも起きている。バランスを考えよう。指導者はもちろん君も、家族もだ。日々の努力を水の泡にしない為にも、正しい知識とプライドを持って欲しい。セリアネットを良く読もう。

ACミランの頭文字
不況の嵐が吹き荒れている。相次ぐチームの解散。企業に依存してきたスポーツ界の旧態依然たるシステムは終焉を迎えている。ノンプロの脆弱な体質が、今更の様に露呈しているのだ。有力企業チームが実質的にはプロ集団であった事実は否めない。アマチュアであるならば、企業人としての自立をしておくべきだった。甘い汁を吸ってしまった結果、自浄能力が無くなっていた事にも気付かなかったのだろう。「スポーツマンである前に社会人であれ」名門チームの元監督が語った言葉を思い出す。チームを離れ、企業人の立場で解散を見守った率直な意見だった。

Jリーグも経営危機に曝されているが、これはまた問題を異にしている。Jリーグを頂点とするクラブ組織の在り方を、スポンサーである企業がはき違えていたのが原因なのだ。基本理念をきちんと理解し、地道な経営に着手していれば無理はなかった筈である。日本にはまだクラブスポーツを育む土壌がない。あのセリエAのイタリアでさえ、当初はその様な考え方は無かったという。

強豪ACミランの頭文字は、イギリスのアスレチッククラブが由来だそうだ。まさに組織が、スポーツを文化として考え、人々の心や生活に根付かせている。今こそ日本も組織を再編し、自立の道を歩み出すチャンスである。百年構想くらいのスタンスで、誰もがスポーツの醍醐味を味わえる様な土壌を造ろうではあーりませんか。