Seria Net
No.09


ヤマタケが斬る

教員ですらリストラの危機に直面している時代。
不況の足音がスポーツ界にもしのび寄ってきた。経営難の企業はまずスポーツクラブを切り捨てる。名門チーム休部のニュース以来、新聞の経済面を真っ先に見る様になった。海外合宿の話を聞いても羨ましいどころか、心配が募るばかりだ。長野五輪にもその影響は見られた。
ショートトラックで銅メダルの植松選手とコーチは所属企業の倒産、失業の憂き目に遭い、どん底からはい上がってきた同志である。抱き合って喜び合う姿が画面一杯に映し出された時、その深い絆に心打たれた。だが、これも他人事では無くなりつつある。経済の大きなうねりは人智の及ばないところで、アマチュアスポーツの根底を揺るがそうとしている。
企業や組織の経済力に甘えるのではなく、選手や指導者の自立が促されているのだ。社会性も経済性も備えた選手の育成が急務だとしたら、規定やルールの見直しも必要であろう。それより問題なのは、選手が自立した競技生活を本当に求めているか、なのだが・・・