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No.09


ほんとに知ってる?

カルシウム編
吸収されないカルシウムがある

カルシウムは二価のイオン、つまり二本の手を持っています。この手でパートナーとなる酸、リン酸や乳酸などに繋がって安定しています。酸の種類によって繋がる強さも異なります。乳酸やグルコン酸などは繋がりが弱く、水に溶けやすい性質を持つので吸収が良いと宣伝されています。しかし、実際にはシュウ酸などの吸収阻害物質の影響を受けやすいのです。

吸収率の良さを強調されている野菜カルシウムも、実質は野菜のエキスを乳酸菌で発酵させた中に炭酸カルシウム(石灰)を入れて作った乳酸カルシウムです。逆に炭酸はその繋がりが強く、水には溶けずほとんど吸収されません。カルシウム入りウエハースに含まれているのは、この炭酸カルシウム(石灰)です。吸収の良いカルシウムはミルクや動物の骨に含まれているもので、タンパク質やリン酸、乳酸、炭酸などがそれぞれ繋がったものです。

つまり、単一のカルシウムだけでなく、出来るだけ自然な形のままとる事が大切なのです。ですから、まず食事に重点を置いて下さい。そしてサプリメントの素材にも注意して下さい。さらに、丈夫な骨を作るヒントは、有機酸を一緒にとる事です。クエン酸が豊富な梅干しやオレンジ、酒石酸が豊富なブドウや、それを加工した物を上手にとる事と、ヨーグルトや漬け物などの発酵食品をメニューに加える事です。そうして作られた骨は柔軟性のある折れにくいものになるのです。