Seria Net
No.05


論 走
馬酔木賢者

スポーツ推薦を考え直す
核家族化、小家族化が進み子供の数が減っている現在、生徒確保のために学校が必死になっている。 共学化や中高一貫教育など個性豊かな特色づくりをする一方、推薦制度の急増が著しく、推薦による受験者が過半数を越えた中学校もあると聞く。今や高校受験はすっかり様変りしてしまい、スポーツ推薦も類に漏れない。スポーツエリート意識は消え、人気校に入学する手段になりつつある。“入学するためのスポーツエリートたち”は、入学してしまえば、夢を追うことなく日常に流され、次第に競技から離れていく。止めないまでも「こんなはずじゃなかった」と不平不満を口にし、トラブルの原因は絶えない。競技成績次第で、特に目的意識がなくても高校、大学、実業団とあっさり線路を引かれてしまうケースも少なくない。大人のエゴの渦巻く推薦制度を真剣に考え直さないと、真のスポーツエリートは育たない。受験シーズンにあたり、選手に、親に、学校関係者に一考をお願いしたい。大切なのは夢を持っているか否かではないだろうか。